2020/04/30

サルサとの出会い

3年前にサルサダンスをはじめた。20代後半のタイミングで何か新しいことをはじめたかったのだ。魅力的な30代の男性と、そうでない男性をわける決定的な違いは何か、そこになぜ差異が生まれてしまうのかということを考えていた。30歳というライフステージへの恐れでもあったし、それに対する焦りでもあった。

歳を重ねると、新しいことがへっていく。それでも諦めずに新しいことをキャッチできるか、いくつになっても冒険心と好奇心を持ち続けることができるかが、魅力的な大人になるコツであり、人生を楽しむことにもつながると信じている。

なぜサルサだったのか。それは前日に観た「Salsa!」というフランス映画の影響だったかもしれないし、「東京いい店やれる店」で紹介されていた”サルサを踊れる男性はモテる”というサルサバーの謳い文句にのせられたからかもしれない。すぐに僕は六本木のCaribe(今は閉店)に向かった。

初めてサルサを踊ったのはこの六本木のサルサバーだったが、今振り返ると、実はサルサという音楽自体は20年以上前から身近なものだった。

小学生時代は両親の仕事の関係で、シンガポールで過ごした。当時はマリーナベイサンズももちろんなかったし、一年中夏で四季もないということで、週末を楽しむ娯楽が少なかった。娯楽の少なさに絶望した父は、シンガポールでサルサをはじめたようだ。父の部屋で大音量でながれていたコンガやクラーベのリズム、これが私とサルサの出会いだった。

サルサはNYCのプエルトリコ移民が中心となり作られたペアダンスだ。社交ダンスとの違いは、どちらも男女ペアで踊るが、社交は特定のパートナーを持つのに対して、サルサは1曲ごとに別々の人と踊ることがマナーとなっている。基本的にはショーをのぞけば、サルサは即興で踊る。

軽い趣味のつもりではじめたサルサが、いまではどっぷりハマり、パフォーマンスチームにも所属し、練習漬けの毎日となってしまった。

飽き性の自分がサルサを続けられてるのは、サルサがストック型の趣味であることだ。続ければ続けるほどサルサは上手くなる。究めるにはダンス技術のみならず、楽器の理解、曲の成り立ち、ミュージカリティまで学ぶ必要があり、かなりディープな世界だ。学習の高揚感はまるで語学の習得の達成感と似ている。相性がよかったのかもしれない。

サルサという共通言語を知っていれば、世界中どんな人とも踊ることができることが魅力だ。海外営業という仕事がら、海外出張が多いので、これまでロンドン、ドバイを中心にサルサを楽しむことができている。


このブログでも、今後のエントリでサルサの魅力を伝えられたらと思う。

2020/04/17

気になる8人のサルセーロ

個人的に気になっている8人のサルセーロを紹介。

Fadi Fusion 
即興で楽器の音を表現することが上手いダンサーの一人。高い身体能力と抜群のミュージカリティで、ポストTerryだと勝手に思っている。動画のシャインは必見。いつか彼のミュージカリティのワークショップ受けてみたいなぁ。



 Jorge Ataca
彼はバチャータダンサーだけど、サルサも超一流。「ソーシャルが上手いダンサーといえば Ataca」とKarelが彼を絶賛したとか。強面なルックスなのに柔らかいリード。動画をみていても、彼のタッチの柔らかさが伝わってくるようだ。

Marc AnthonyのVivir mi VidaはOn2でかなり踊りにくいのだけど、動画での彼はかなり気持ちよくKarelを躍らせている。


Nery Garcia
大きくダイナミックなムーブメントが特徴のOn1ダンサー。社交ダンスのようにエレガント。自分はOn1からサルサをはじめたので、当初はNeryの動画を何度もみて研究した。いまでも憧れのサルセーロ。



The dancer Jin 
韓国のサルセーロ。身長と骨格が自分と近いということで、踊る際のスタイルの参考にしている。タメとキレのある360が曲とあっていて気持ちがよい。それにしても、韓国は上手いダンサーが多いなぁ。



Panagiotis 
手技といえば、Panajiotis。変幻自在のスタイルは魔術師ともいわれる。彼のワークショップはかなり難しいことでも有名。動画のお相手のBersyとの音遊びはみていて楽しい。


Yoandy
前回のエントリでも紹介したハバナのYoandy。アフロやルンバをOn2に取り入れるのが流行っているけど、やっぱり彼のダンスをみたら練習したくなる。




Fernando Sosa
サルサといえばこの人。TerryやAdolfo同様に日本でも人気が高い。On2が流行しているけど、彼はひたすらOn1で踏む。男臭いスタイルがかっこいい。ミュージカリティも抜群。





Eddie Torres Jr. 
今のサルサOn2サルサを確立したマンボキング、Eddie Torresの息子。彼は本当にソーシャルを楽しんで踊る。遊び心があって好き。サルサは技じゃない、音を楽しむことが大切ということを彼はいつも教えてくれる。

以上、気になるサルセーロ特集でした

2020/04/15

記憶に残るダンサー

サルサのソーシャルで、時間が経っても記憶に残るダンサーがいる。

サルサは社交ダンスと違って特定のパートナーを持たず、不特定多数と踊る。サルサクラブに遊びにいけば、1日で20人くらいと踊るわけで、それを週2ペースで続けると月に100人以上と踊ることになる。

何百回と踊る中でずっと記憶に残る人がいる。もちろんテンションの相性、場所の雰囲気(もしかしたらルックス)もあるかもしれないけど、ダンス表現にその人の色があると、その3分間のソーシャルは時間が経っても思い出すことができる。あー、あの時 あの人と踊ったなって。

「色」というのは、他のダンサーとの違いであり、悪くいえば癖であり、よくいえば個性である。

昔サルサ仲間から「カウントが聞こえてくる教科書みたいな踊り方をするね」といわれてショックだったのだけれども、まさにこのダンサーの個性というのはそれとは相反するものである。

個性的なダンサーを観察してみると、ダンスのキャリアがドリフト型であることが多い。つまりサルサからダンスのキャリアをスタートせずに、例えばバレエ、社交ダンス、フラメンコ、Jazzなど他のダンスを習っていた人が多い。無意識のうちに昔のムーブメントが出てしまう。

それを癖とよぶひとがいるけど、ボクはその人のダンス表現であり、個性であり、色であると思う。サルサはキャリアを積むと、無駄な動きが削ぎ落とされ洗練される一方で、スタイルが汎用化されてしまう。少しでも自分が大事にしてきた表現方法があれば、自由に取り入れるべきだし積極的に残した方がいいと思う。

Yoandyいうハバナ出身のダンサーがいる。はじめて彼をみたとき、On2で踏んでいるのにユニークな音のとりかたをするなと思ったのだけど、あとあと彼はダンスのルーツはCubanで、あえてMamboにアフロやルンバのムーブメントを取り込んでいることを知った(最近はこのスタイルはかなり流行している)痺れるほどかっこいい。

Yoandy On2 

Yoandy Cuban

自分も相手の記憶に残るダンサーになりたい。3分間であっても、忘れられたくない。自分らしいサルサってなんだろうと考えながら、ベーシックを踏む日々である。はやくコロナ落ち着かないかなぁ。

2020/04/13

ドバイのサルサ事情について

COVID19以前の2019年12月にやっとドバイでサルサを踊るチャンスに恵まれたので、記録としてこのエントリで残しておきたい。

まず、中東サルサ事情だが、イスラムの関係もあり、ペアダンスが発達していない。特に宗教色の強いサウジアラビアでは、社交も含めペアダンスは限定的だ。一方 比較的自由なイスタンブール、UAEのフライジャだったり、カイロでは近年コングレスや大規模なイベントが開催されるほどサルサはブームになっており、徐々に広がっているようだ。フライジャのイベントは毎年盛り上がる。

それでは、今回の主題のドバイのサルサについてだ。


ドバイサルサについて 


特徴1: 欧州からのダンサーが多い

ドバイは中東の中でも人種構成が特殊で、UAE人(エミレティ)は全体人口の10%に満たない。90%は外国人労働者である。サルサクラブのフロアでもその傾向は顕著で、8割は欧州からの赴任者で占めている。

特徴2:  スタイルも欧州ダンサーの影響を受けている 
したがって、ダンスのスタイルも欧州の影響を受けている。バチャータ もセンシュアルだし、キゾンバダンサーも多い。サルサよりもバチャータの方が盛り上がっている。

肝心のサルサはというと、他の国と比較すると十分に成熟していない。スタイルも9割がOn1とCubanであり、On2ダンサーはほとんどみあたらない。

特徴3: キレイな女性が多い 
ドバイサルサの特徴のひとつとして、女性ダンサーがみんなきれいだ。実はエミレーツのCAさんの間でサルサが流行しており、サルサ場も彼女らの誘致のためにドリンクサービス、エントリー無料などでプロモーションをしている。踊れる女性は多くはないのだが、娯楽としてのサルサがCAさんの中で定着しつつあることは嬉しいことだ。

ドバイのどこで踊れるか?
今回 踊るチャンスがあったのは、Ric Banks dance academyが主催している下記のイベント。City WalkのLIMAというBARの2階で、毎週火曜、木曜に開催されている。

ダンスカンパニー主催のイベントなので、踊れる生徒さんが多くいるし、たのしめる。


また踊れる日がきますように。以上、ドバイサルサのエントリでした

2020/04/12

ロンドンはサルサ天国

仕事の関係で、2019年4月から7月までロンドンにステイする機会があり、その際にひたすらサルサを踊ってきたので、今回はロンドンサルサのエントリ。(COVID19の影響で、いまの状況はかなり変化していると思う) 


1) ロンドンサルサのスタイルについて
サルサのスタイルには、On1、On2、Cubanがあるが、ロンドンでは8割がOn1、Cubanである。On1ダンサーには天国のような環境だ。

サルサ手技の天才とよばれたMarioもロンドン市内のBar SalsaではOn1でレッスンをしており、On2レッスンはClosedのクラスのみ。

特に際立っていたのはCubanの存在である。海外の大きなサルサイベントではBachata Room、Kizomba Room、Salsa Roomにわかれることが多いが、ロンドンではCubanの人気があり、Cuban Roomというキューバンダンサー専用のフロアまであった。すごい。


一方、On2ダンサーが少ない。というか、On2を教えるイントラが少なく、その結果、Mamboダンサーがフロアから消えているようだ。なので、ロンドンのOn2愛好家の女性たちは、踊れる男性を求めて、パリまで列車で2時間かけて遊びにいく。パリのソーシャルは世界でもトップクラスのダンサーが集うとか。

ロンドンでOn2を踊るとなると、大型の不定期イベントであるRevolution, Mambo City, Sugar Latino, SOS, Pexava, SCALAなどで少し見かける程度。

定期イベントでは毎週火曜日のFunky MamboがOn2しばりで開催している(日本人イントラさんが主催)

2) サルサ場について
ロンドン市内のBar Salsa, Temple, Fusionは毎晩サルサが踊れる。Bar Salsa、TempleはOn1ダンサーが多く、FusionはCubanが中心。

まず一番敷居が低いのはBar Salsaだが、22:30以降はReggaetonしかかからなくなるので注意が必要(ダンサーはお酒飲まないため、お店が方針変更したとのこと。深夜は完全にクラブ化して踊れなくなるとのこと)
スキルのあるダンサーは月曜がおすすめ。上述のMarioがレッスンをしており、超絶上手いダンサー(生徒)が集まる。

また、クラブはエントリの際にIDチェックがかなり厳しいので、パスポート忘れずに。

3) ロンドンのサルサイベントについて
月に数回程度 ロンドン市内では大型のサルサイベントが不定期で開催される。
ビギナーでも気軽に参加できるのは、El Bembe、SCALA。どちらもソーシャルの前に簡単なレッスンをしているので、ビギナーも多い。中目黒の公民館のような場所で主催しているPexavaというイベントもある。

El Bembe
SCALA
Pexava

キャリアのあるダンサー向けには個人的にはRevolution、Mambo City、Sugar Lationoがおすすめ。個人的にはRevolutionは主催のDJがとてもセンスよく、ファンになってしまい、ステイ時にはかなりお世話になった。
Revolution


サルサは海外生活においてコミュニケーションのフックになるし、続けていてよかった。ロンドンで踊る際は、参考にしてください。