2014/06/21

キャリアドリフトという選択について

先日参加した勉強会は「キャリアドリフト」のケースだったので、いろいろと学びをアウトプットしてみる。

1. キャリアドリフトとは?
“Drift”とは漂流するということ。長期目標から逆算してキャリアを積み上げていくのではなく、出会いやチャンスを柔軟に受け入れながら、キャリアを形成していく考え方である。

スポーツ選手などは幼年期に一つの目標を定め、ゴールから逆算していくケースが多いが、キャリアドリフトはそれとは真逆の考え方である。ジョブスのConeecting the dotsの考え方にアプローチが近い。
スポーツ選手型、また②同業種転職型は一つの分野に時間を投資し、プロフェッショナルを目指していくタイプ。

マルコム・グラッドウェルの「天才の作り方」ではプロとして才能を発揮するには10000時間の練習が必要とのことだが、この実践者も①に分類される。

③キャリアドリフト型は、人との出会いや外部のチャンスをキャリアの転機とみなし、たとえ自分の専門外であってもとリスクをとりながらキャリアを形成していく。

個人のキャリアの8割は偶然の結果という研究結果にもあるように、周りを見渡しても③のようなアプローチを無意識にとっている友人も多く見受けられる。

2. キャリアドリフトの時期について
キャリアドリフトの時期は20 代に限定するべきだ。

確かにドリフトを繰り返し、いろいろな職種、働き方に触れることで、自分の方向性、向き不向きなどがみえてくる。

ただし、ドリフトのリスクは「専門性がストックされない点」にある。
気づいたときには、自分のコアスキルが形成されておらず、市場で淘汰されてしまう。

したがって、ドリフト時期を自分の中で限定しておくのもポイント。

20代はトライアンドエラーを繰り返し、自分の勝負分野を決める。そして30代で自分のコアスキルを形成していくというアプローチが現実的だと思われる。

3. キャリアドリフトのタイミングについて
ドリフトのトリガーは下記であることが多い。

①   チャンスにめぐりあったとき
②   仕事に違和感を感じたとき、大きな失敗をしたとき

私も社会人4年目にしてすでに2社目のキャリアであるが、過去を振りかえると転機は①②の複合的な要素が強かった。特に"①チャンス"に関してはいろいろと苦い経験がある。

まず、"チャンスは貯金ができない"ということだ。チャンスのタイミングは自分で選ぶことができない。

海外担当部署で社内公募が出た、エージェントからいい求人を紹介された、だとかトライできるチャンスは突然やってくる。自分のスペックと条件のギャップがある場合、Applyすることもできないし、準備をしている間にチャンスはすぐに去ってしまうものである。

常にチャンスに備えて普段から自己投資をするということも重要な要素である。

自身のキャリア論については、昔 「キャリアプランは持つな、海図をもとう!」でも触れたけれども、当時書いた"チャンスに備えておく"というポイントだけは外れてなかったなと思う。

以上、キャリアドリフトについてでした。

2014/06/04

「場所」から始めるキャリア選択

就活時代に大切にしていた記事がでてきた。

ゴーン氏のキャリア選択に関する古い記事であるが、ちょっとした気づきがあったので紹介。

1. 「場所」から考えるキャリア

ゴーン氏の記事で当時 衝撃を受けたのは、キャリア選択の優先順位として「働く場所」からスタートしている点だった。

「私の場合は、当時は大事な順に①ブラジルで働く②給料が良い③車の関連業界、となり最終的にミシュランを選びました。」(朝日新聞be連載コラム 2008) 

周りの仲間の場合は、
1. 興味のある業界 2. 会社  3.場所という順番で道筋をたてるか、
もしくは1. 業界 2. 職種 3. 会社の順に候補を絞っていくケースが多く、ゴーン氏の選択軸は新鮮だった。もっとゆるーくシンプルに考えてもいいんだと思ってしまった。

2 . 海外では意外と「働く場所」を重視する?

日本においては企業が首都圏に集中しているため、一部の層(海外志向 or 地元志向)を除き、キャリア選択の際に「住む場所」はあまり話題にならない。

しかし、海外では「住む場所」は意外と学生の間でホットなテーマである。

例えばアメリカでは地方都市ごとに盛んな業種が存在するため、「住む場所」からのキャリア選択が容易である。また、彼らは特定の土地への執着も強く、「僕は南部育ちだから、南部の企業に就職したい」というような学生も多い。

下記の記事(This Map Shows The Largest Employers in Each State)ではアメリカにおける州ごとに影響力のある雇用先をまとめている。全部マクドナルドになるかと思ったら、意外と色々な企業があり興味深かった。

これだけ地域によって企業のバラエティが富んでいると、キャリアメイクの際に、1. 住みたい場所、2. その地域で盛んな業界、3.職種 というような決め方も戦略的にはありだ。

3. 「働く場所」が選べる時代

私の場合は業種を決めてから場所を決めてしまったのだけど、ライフスタイルを軸にしたキャリアメイクの視点も大事だなと改めて思った。

いまではITインフラも整備され、働き方も多様化しているので、「場所選び」からスタートするキャリアは今後 国内においても増えていくはずである。

2014/06/01

中国の若者、80后(バーリンホウ)の特徴について

「80后(バーリンホウ)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

80后という言葉だけで一冊の本が出来てしまうほど面白い分野なので、とても一言では纏めることが出来ないが、今日は簡単に彼らの特徴について触れてみたい。

1. 中国における80后(バーリンホウ)とは何なのか?

80后とは80年以降に生まれた世代を指す。日本では団塊世代、ゆとり世代など世代でカテゴライズすることが多いが、中国では地域間における違いが顕著であることから、あまり世代論が生まれてこなかった。

しかし、近年では「80后」は中国を語る上で、切り離すことのできない。
70年代、80年代で中国で何が起き、どのように80后という世代が形成されたのであろうか。

タイムスリップをして、中国の歴史を振り返ってみたい。

1976年 文化大革命終了
1978年 改革開放政策開始
1981年 ペプシ 中国市場進出 
1987年 ケンタッキー 中国市場進出(北京 一号店オープン)
1990年 マクドナルド 中国市場進出(深セン 一号店オープン)

つまり、80后の若者は改革開放政策後に生まれた世代であり、幼年時代から外国の文化、外国製品に影響を受けてきた。70年生まれと比較すると、海外トレンドに敏感で、ネットを使いこなし、消費も活発なのである。

2. 80后の特徴について

中国の若者研究で知られる原田氏は、80后の特徴を下記の通りまとめている。

・市場経済とともに育った世代であること
・一人っ子が多く、わがままな傾向がある
・高学歴が多く、ホワイトカラーで働く人が多い。留学組の海龟も多い。
・ITリテラシーが高く、ネットで情報を発信をする

上記のように、ライフスタイルもあまり日本の若者とあまり変わらない。
私たちがFacebook、Twitter、LineなどのSNSでコミュニケーションをとるのと同様に、80后も中国のLineであるWechatやミニブログのWeiboで情報を発信する。

私のWechatはこんな感じ。
Wechatを始めて1年半が経過したが、彼らとの交流はとても楽しい!レストランに入れば、食べ物の写真をとり、ネット上でコメントをし合う姿は日本の若者のようである。

3. 企業にとっても80后な重要なターゲット

消費の活発な80后はすでに2.5億人に達しており、中国市場を開拓する企業にとっても大きなボリュームゾーンとなっている。

そのため、如何に彼らを市場に取り込み、自社製品のファンになってもらうかがキーといえる。

以上、80后に関するエントリでした。