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2015/10/10

インド人の首振りの謎

今回の紹介したいのはインド人との交渉の際に悩まされるあの有名な首振りジェスチャーである。

中東系企業の営業担当窓口はインド人が非常に多い。もちろん、契約などの重要事項は中東国籍のスタッフが指揮をとるが、実際にフロントに出てくるのは交渉上手なインド人であることが大半だ。

したがって、中東ビジネスで対インド人対策は極めて重要であり、彼らとの交渉は避けて通ることはできない。

インド人と仕事をして衝撃を受けたのは下記の2つであった。

(1) 独特な訛りのあるインド英語
(2) 首振りジェスチャー

今日紹介したいのは彼らの(2)首振りジェスチャーである。

インドに出張に多い方なら馴染みがあるだろう。あの首を振っているようで頷いているような独特な首の動きである。

ボクは慣れない彼らの動きに悩まされることになった。

このジェスチャーは決して否定を示すものではなく、興味や強い関心を相手に示すものである。

下記の動画で彼らの首降りをみることができる。まさに、この動きだ!


ジェスチャーの意味がわからなかったボクは当初とても困惑した。交渉は上手く進んでいるのに、なぜ最後に彼らは首を降るのか?本心では実は納得してないのではないか?など、フラストレーションを溜めてしまうことになった。

異文化の学ぶ意義のエントリでも述べたが、文化コンテクストの理解を怠ると、無意識に自分の文化のレンズで、物事をみてしまい大きな誤解を招くリスクがある。自戒を込めての学びメモでした。

2014/05/28

市場が成熟するとカラフルな製品が増えるけど?

近年カラーマーケティングが注目を集めている。

Samsungは昨年度、UAE向けにブラウンゴールドのiPhoneを投入したし、タイでは家電メーカーがカラフルな色物家電で市場を開拓している。

一般的に市場が成熟化すると、製品の機能的な価値以外に、色やデザインなどの感性的な要素で付加価値をつける傾向がある。

 海外マーケティングにおいて、カラーの要素はどのような影響があるのだろうか。

まずは代表カラーの赤を例に考えてみよう。

1. 中国人の赤、アラブ人の赤は異なる?

一般的に中国人にとっての赤は、人気カラーの代表色である。

おめでたい色、金運をもたらす色、政治の色、情熱の色などといわれてきた。

ただし、国によってイメージや印象は全く異なる。

例えば、アラブ人にとって赤はあまり好まれない。一般的に赤は彼らにとって血、危険、悪などネガティブなことを連想させてしまうのである。 

2. 色の嗜好は時代によって変化する?

中国で人気の赤だが、最近は彼らの嗜好が変化している。
調査会社のエー・アイ・ピーによると、現在人気のトレンドは青であるようだ。


欧米や日本発の流行、韓国ドラマなど、外部からの影響によって色の好みが変化することが多い。

3. 効果的なカラーの選定条件

しかし、上記の調査においても、中国では今もなお、赤は根強い人気がある。

どの国でも、昔から人気のある代表カラーがあり、それらは当然 色の選定の際には重要である。例えば、サウジアラビアやエジプトでいえばゴールドである。

カラーの選定のポイントをまとめてみた。

選定の際の構成要素としては、1. 基本的な国の嗜好カラー、2. 流行トレンド、3. 競合他社と差別化になるような特徴カラーを考慮し、色を選定するのがポイントかと。

色によるマーケティングは関心分野の一つなので、今後も中近東、中国市場を中心にフォローしていく予定。

以上、カラーマーケティングに関するエントリでした。

2014/05/25

時間の概念の違い Mタイム/Pタイムについて

取引先が返信の期限を守ってくれない。リマインドのメールをしても返信がこない。海外ビジネスにおいて、時間のトラブルは日常茶飯事であり、誰もが苦い経験をしているのではなかろうか。

入社当時 私はアメリカからの電子部品の仕入業務に携わったが、アメリカ人である彼らはよく期限を守ってくれた。遅れる場合でも、遅れる理由、期限の再提示をしてくれたものである。

だが、取引相手がアラブ諸国となると非常に苦労する。期限内の送金も守らず、音信不通になるケースも珍しくない。今回は異文化マネジメントの観点から中東ビジネスおける時間の感覚の違いについて考察してみたい。

1. Monochronic Culture versus Polychronic Culture

文化人類学者であるEdward Hall(1914〜2009)は時間の捉え方について二種類に分類した。

Monochronic(Mタイム)/Polychoronic(Pタイム)である。一般的にアメリカ、カナダ、北欧、日本などはMタイム、南米、中近東はPタイムとカテゴライズされる。
特徴は下記の通りである。

Mタイム
  • 時間軸が一つであり、一度に一つのことしかやらない
  • 物事は順序よく進め、約束は守り、時間に正確
  • Time is Money(時は金なり)
Pタイム
  • 時間軸が2つ以上あり、複数のことを同時に行う
  • 時間にルーズな側面があり、約束に遅れたりするが、人間関係を重視する傾向がある
  • 時間が無駄に感じることはない。
時間の捉え方の違いは、Results versus Relationshipsの概念とも通ずるものがあり、
Mタイムの人間は結果を重視する→時間軸が1つしかない→時間を大切にする→時間を守る
Pタイムの人間は人間関係を重視する→時間軸が複数ある→時間にルーズ
という図式が成り立つ。

メキシコの海外営業担当者によると、Pタイムのメキシコでの"tomorrow"は明日という意味ではなく、"not today"つまり"今日はできない"という意味で使われることが多いと聞く。時間の概念の違いを理解していないと厳しいものがある。

2.  アラビア語のイン・シャー・アッラーについて

アラブ諸国とのコミニュケーションにおいて、期日の設定の際に頻繁に使われる用語が"イン・シャー・アッラー"(もし神が望んだならば)である。

例えば 
「明日までに送金してくださいね。」「わかりました。イン・シャー・アッラー」
などである。

アラビア語のテキストでは、このフレーズに「必ず」という意味で訳されることが多い。だが、上述のようにPタイムの傾向があるため、慎重なコミュニケーションが必要だ。必ずしも"イン・シャー・アッラー"で約束が守られるとは限らない。

3. 理論(Theory)は地図である

以前のエントリでも述べたが、理論は"地図"に過ぎず、必ずしも現実と一致するわけではない。例えば中東諸国でもイスラエルについては、Result oriented cultureであり、Mタイムの傾向が強いし、そもそも企業文化/体質によっても時間の概念の捉え方は異なる。したがって、海外ビジネスにおける"地図の一つ"として今回のMタイム/Pタイムの概念を捉える必要がある。

以上、時間の概念に関するエントリでした。