2011/08/26

キャリアプランは持つな!海図を持とう!


僕は「キャリアプラン」を持っていない。いや、正確にいえば"大きな海図"は持っているが、細かいBlueprintはあえて持たないようにしている。

今日はキャリアプランを持つことの無意味さ、そしてその対処方法のエントリである。(以下は21歳の学生が見たり聞いたり感じたりした範囲内での仮説やら論理である。)

誰しも人生の転機というものがある。大学受験、就職、結婚。いずれも人生の大イベントであり、それが後の人生に大きな衝撃を与える。その"決断"に大きな影響を与えるのはいつでも「人との出会い」そして「小さな出来事」であった。

今回のポイントは「人の出会い」や「出来事」は自分の意思ではコントロール出来ないということだ。

例えば小説家の村上春樹は
「神宮球場にヤクルト=広島戦を行ったこと。外野席に寝転んでビールを飲んでいて、ヒルトンが二塁打を打ったときに『小説を書こう』と思った」と過去に述懐している。極端な例ではあるが、キャリアというものは混沌としていて様々な偶然的要素が絡み合って積み重なっていくことが多い。

世の中は私たちが想像しているより複雑で混沌としている。例えば明日自分が事故に遭うかもしれないし、フライトが飛ばないかもしれない。日常生活から宗教の台頭までその背後には不確実性が潜んでいる。

ヒトラーの台頭、それに続く戦争、Googleの成功、9.11、リーマンショックもすべてそれだ。歴史、哲学、経済学、心理学とあらゆる事象に不確実性は存在している。

"恋愛"だって同じである。

誰が今の相手と付き合うことを予想したであろうか?
誰が計画したであろうか?

興味深いのは人々は"不確実性"を過小評価することだ。偶然と知りながら、その事象から目を逸らし、人々は盲目となる。さらにその事象を経験から”ロジック”で肯定しようと試みる。そして"偶然的成功者"は以下の言葉を主張する。

「明確なキャリアプランを持て!」

彼らのキャリアが「偶然の出会いや出来事」で成り立っているのにも関わらずである。人生は直線的で論理的な単純なものではない。

ではどのように不確実性に対応するれば良いだろうか。以下は僕が試行錯誤で考えた3つの仮説である。

対処方法①予測ではなく"備え"に時間を費やすこと

前述のように不確実な未来は予測不可能である。いつ魅力的な相手が現れるかわからないし、ビジネスパートナーに巡り会えるかわからない。だが、それに"備えること"は可能である。いざというチャンスを勝ち取れるように、レバレッジの効きやすい語学などを常日頃から磨いておくこと。

対処方法②積極的に不確実性に触れること

2つ目は不確実性の海に飛び込むことである。世界への放浪の旅、異業種交流会、合コンなどに積極的に参加し自ら"不確実な出会い"を作り出すことで、チャンスを自分に引き寄せること。

対処方法③海図を持つこと

3つ目は逆説的だが不確実な世界で生き抜くには「海図」を持つことが重要である。3年、5年、10年単位のキャリアプランではなく、大きく人生を描いた時に自分が最終的にどこに辿り着きたいかである。ポイントは緻密な計画をたてるのではなく、あえて不完全にしておくことである。以下が海図のイメージである。
目的地と現在地の中間にある不確実なステップをあえて決めずに未完成の状態にしておく。そうすることで、計画外の不確実な出来事にも柔軟に対応することが出来るのだ。

以上が自分の現在のキャリア論である。というわけで、明日から不確実性に触れるために中国に行ってきます(笑)