2010/09/09

プロフェッショナルとは?

2010年1月26日の日経新聞に2009年の公認会計士試験合格者のうち、3分の1に近い700人弱が不況の影響で就職できないという記事が掲載されていたのには驚いた。 "プロ"といわれる職業人が路頭に迷うのは何故だろうか。

今回のテーマはプロフェッショナルについてである。僕はミーハーな部分があり、この"プロフェッショナル"という華やかな言葉に反応してしまうのだが、果たしてこれは何を意味しているのだろうか。言葉だけが一人歩きし、意味の本質を取り違えているようにも思える。

従来プロフェッショナルといえば医師、会計士、弁護士、プログラマーがそれとされていた。数学や科学が得意なら医師に、国語や歴史が得意であれば弁護士になれといわれてきた。しかし時代がシフトするにつれ、それもまた変化しているように思える。「プロフェッショナルとは何か?」というテーマについて改めて考えてみたい。

①. プロフェッショナルとは何なのか?

wikipediaによると

またドラッカーは以下の言葉を述べている。


つまり1. 「仕事が他者によって代替されない」というのが欠かせない要素である。雇う側からみて、個々の労働者が「取り替え可能」であるならば、雇用は不安定になり、賃金は必然的に下がっていく。従来、プロフェッショナルとされていた会計士、弁護士、プログラマー達の職が失われつつあるのは「要素1」による欠如が大きいようである。

例えばアメリカでは"クイッケン"を始めとする家計簿ソフトが登場したことで、スペシャリストとしての会計士が提供する財務サービスの大半がコモディティ化されている。また"ファミリーロイヤー"では100ドルほどのパッケージソフトで、弁護士の仕事の大部分が代替されているのだ。

さらに経済のグローバル化により中国で生産できるものは中国で、ITなどインドでできるものはインドというように、少しでも人件費が安くすむ地域へ産業は引っ張られていく。
ダニエルピンク氏の「ハイコンセプト」ではグローバル化社会で生き抜くための条件として①「よその国、特に途上国にできることは避けること」②「コンピュータにできることは避けること」の2点を指摘されている。

果たしてプロフェッショナルの要素である「代替されない仕事」とは何だろうか?これが今回の大きなテーマであり、考え続けなければならない課題である。

②. 代替されない仕事とは何か?

百式管理人で有名な田口元氏の講演会に参加したことがある。パーソナルブランディングに関するテーマであり、彼はキャリアメイクのヒントとして以下の言葉を連呼していた。

「No1ではなく、オンリーワンを目指せ!」

今考えるとプロフェッショナルに関する良いヒントであるように思える。つまり「自分だけにしか出来ない仕事」=「代替されない仕事」である。したがって「自分にあった」「自分らしさ」「自分ならでは」という視点が重要である。

しかしこれを形成するのは難しい。パーソナルブランディングがプロフェッショナルへの近道であるという仮説をたててみたい。その方法として以下の2つのアプローチが考えてみた。

1 . 出来るだけ離れた専門分野を組み合わせること



これは有名なI型、T型、π型モデルである。横幅がバックグランド、縦幅は専門性を指している。従来のプロフェッショナル型は1つの専門を持ったT型が主流であったが、今後の"オンリーワン型" は2つの異なる専門性を組み合わせることがヒントになるだろう。例えば「法律」×「会計」や「農業」×「IT」などである。

2. 組織に依存せず、常に経営者目線で仕事をすること

人事コンサル事業で有名なリンクアンドモチベーションの小笹氏は「i-Company」を提唱している。これは自分を株式会社と見立てて、「自分株式会社」という企業の経営者意識を持つことを示している。

今後は会社の命じるまま動くのではなく、今後は個人が会社と交渉しながら、自らの意思でキャリアメイクとジョブ・ローテーションを行う時代である。 彼らが新たなプロフェッショナルとして時代をリードしていくのかもしれない。

以上、プロフェッショナルに関するエントリでした。