2015/10/10

インド人の首振りの謎

今回の紹介したいのはインド人との交渉の際に悩まされるあの有名な首振りジェスチャーである。

中東系企業の営業担当窓口はインド人が非常に多い。もちろん、契約などの重要事項は中東国籍のスタッフが指揮をとるが、実際にフロントに出てくるのは交渉上手なインド人であることが大半だ。

したがって、中東ビジネスで対インド人対策は極めて重要であり、彼らとの交渉は避けて通ることはできない。

インド人と仕事をして衝撃を受けたのは下記の2つであった。

(1) 独特な訛りのあるインド英語
(2) 首振りジェスチャー

今日紹介したいのは彼らの(2)首振りジェスチャーである。

インドに出張に多い方なら馴染みがあるだろう。あの首を振っているようで頷いているような独特な首の動きである。

ボクは慣れない彼らの動きに悩まされることになった。

このジェスチャーは決して否定を示すものではなく、興味や強い関心を相手に示すものである。

下記の動画で彼らの首降りをみることができる。まさに、この動きだ!


ジェスチャーの意味がわからなかったボクは当初とても困惑した。交渉は上手く進んでいるのに、なぜ最後に彼らは首を降るのか?本心では実は納得してないのではないか?など、フラストレーションを溜めてしまうことになった。

異文化の学ぶ意義のエントリでも述べたが、文化コンテクストの理解を怠ると、無意識に自分の文化のレンズで、物事をみてしまい大きな誤解を招くリスクがある。自戒を込めての学びメモでした。

2015/10/02

アンマンの街中で

ヨルダンの首都 アンマンに到着した。ドバイの暑さと比べれば アンマンは涼しく、過ごしやすい。9月でも30℃前後ということで、人間が住むに適した気温である。夏から秋への季節の変わり目は砂嵐が頻繁に起き、その砂埃から視界が霞む。砂で前が見えなくなるというのは初めての経験である。

中近東という地域は、ボクにとって未知の場所だった。幼年時代は父の赴任の関係でシンガポール、香港に住んだし、学生時代はアメリカにも1年間留学をしていた。ヨーロッパには旅行で何度か出向いた。しかし、中東となると僕の人生との接点がなく、今回が2度目のステイとなった。まさか、仕事でヨルダン出張をしようとは学生時代は想像もしていなかったことである。

モスクからアザーンが聞こえる。ドバイに赴任している友人が、いつも慣れないアザーンの音で起きてしまうという話を聞かされていたが、実際に街中で聞くのは初めての経験だ。アザーンがまるで音楽のように、街に馴染んでいる。異国情緒とでもいおうか、アンマンの遺跡のような街並みの中でアザーンを聞いていると、まるで遠い地の果てまで来てしまったかのような気持ちになるのだ。

ヨルダンはシリア、イラク、サウジと囲まれているため、常に近隣の地政学リスクに影響を受ける国でもある。いまはシリアやイラクからの難民支援で政府の財政が逼迫しており、今後の経済の見通しも不透明であるようだ。

前回 訪問した今年の6月と比較すると、街の景気は上向いているようだった。今年の頭にヨルダンのパイロットがISによって殺害されるなどの事件が起きたが、それ以降は目立ったテロも起きておらず、街の消費者心理も徐々に上向いているように感じた。